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デッドライン

デッドライン_b0098477_5322595.jpg 今日は好きな本を紹介します。大好きな本の一つにデッド・ライン(日経BP社、トム・デマルコ著)があります。リストラされそうになったソフト会社のおっさん(主人公=トムキンスっていう名前です。その命名の仕方がうれしかったです。)が女スパイに誘拐されて、某国の「パッチもんソフトを作って大儲けしよう」という国家プロジェクトのリーダに抜擢されます。いろんな外乱があったにも関わらず、予定通りにプロジェクトを遂行します。最後にはストックオプションで大儲け。さらにおまけとして彼を誘拐した女スパイと結婚という落ちまでついてる想像のお話です。筆者は「ソフトウエア構築で一番重要なものは何か?」ということを面白おかしく、しかも訴求力あるように表現したかったんです。読んでみて、訴求力ありましたよ。あまりに面白かったのでトム・デマルコの著作を一通り買いました。また彼が東京に講演に来た際には聴講しにいきました。一緒だった友人なんて「トム・デマルコとの2ショット」を撮影してもらって喜んでました。 何がそんなに面白いかって?? 私は「原理・原則に戻ることが大事」というのが面白いと感じました。主人公がソフトウエアの神様(と呼ばれてる人)のところへ「デバッグ(検証作業)が多くて、プロジェクトが遅れています。どうしたら予定通りにプロジェクトを終えられますか?デバッグの要員を増やすしか手はないですか?」と質問をしに行きました。そしたら神様は「デバッグをやめなさい」との回答。一休さんの禅問答のような答えに主人公は??となります。その答は「仕様書(どんなソフトを構築したいかを記載した資料)に不明確なところが多い。その状態で作業を進めるから、後になってつじつまの合わないところが多々出てくる。だからデバッグなんてやめて、仕様書を作成することに力を注げ。」というものでした。開発期間のうち70~80%くらい(数字を正確に覚えてません)の時間を仕様書作成に割けということも記載してありました。正しいですね。弊社内、社外(お客様)の仕事を見ていると、GOALが見えてないから・・・何をやらなければいけないかを正確に掴めてないので、やり直しの作業がいっぱい出てくる。また作業が進むに連れて、新たな作業が出てきて・・・いつになっても作業を終えられない。もち、作業完了の予定も立たない。うん、うん。
 さて社員の皆さん、この記事を読んで「むっ」としたなら、ごめんね。こんな状態はあなた達だけじゃないよ。こんなのが本になるくらいなんだから、世界中でこんなことがおきてるんだよ。でもそれから抜け出せたら、すごいスキルを持ったことになるんだよ。それを期待しての愚痴だからね。許してね。

では。
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いま、某社でソフト作成のためのMTGに出席してます。(内職してます)作成会社の方に作業手順を説明してもらったけど、納得いかないよ~。トムキンスさんが欲しいよ~。
by cadic4d | 2006-07-11 05:34 | 読書 | Comments(0)